九六フィートの高さから

それとなく落下 相対速度は限りなくゼロ

小説

円城塔『道化師の蝶』を読む——「わたし」のメタは滅多打ち

円城塔『道化師の蝶』を読んだ。 読んでしまった、と書いたほうがより正しいのかもしれない。 表題作「道化師の蝶」、そして「松ノ枝の記」の二本の短編が収録されており、「道化師の蝶」は第146回芥川賞を受賞している。 円城塔という名前は知っていたが読…

涙袋がほぼないせいで人相が悪い

僕は音楽が好きで、映画も小説も大好き。そして今まで数多くの作品に心を動かされてきた。だけど僕はその感情の高ぶりが、すべて涙という形になって表出しない質というか、心と涙腺の回線の通信速度が遅い仕様になっているみたいで、涙が出るかどうかは作品…